8月2日(木)〜4日(土)
広島県呉市天応地区に災害ボランティアに行ってきました。
メンバーは深澤亮道、鈴木孝信、久保田碧雲、丹羽隆浩、久松彰彦、山内弾正の6人。
僧侶以外にも友人2人が一緒に被災地入りしました。
今回は、災害支援団体コミサポひろしまの小玉代表と繋がりがあり、呉市天応地区で活動しているということでここで活動することを決めました。
広島駅から現場までは15kmほど。しかし、未だ高速道路も在来線も止まっているので唯一通っている国道2号線を通ることになりましたが、広島市内を抜けたあたりから大渋滞が起こっていました。
道路を挟んで右手に瀬戸内海、左手に小高い山が続きます。車を走らせていると、所々で災害の爪痕が見ることができます。線路に土砂が流れ込み、道路も陥落しているところもあり、緊急の迂回路としてビーチの駐車場の中を通る道路が作られていました。そんな渋滞のため、普段なら20〜30分で着くところ、到着までに1時間半ほどかかりました。
天応地区に入ると、災害の大きさを物語るかのように、自衛隊や災害支援の車両が並んでいました。道路は取り切れることのできない土砂のせいで、車が走るたびに砂埃が立ち込めます。
押し流された家、土砂に埋まった車、臨時で舗装されている道路。土砂というものは、津波のようにあたり一面を飲み込み、さらにそれが引くことなくその場に残ります。そして、それは道路だけでなく家の中にも土砂は流れ込みます。しかし、家の中の土砂は重機が入ることができず、人力で取り除くしかありません。
ようやく一般ボランティアも入れるようになったものの、未だ危険地域に指定されているため、ボランティアセンターから派遣されるボランティアさんは数十人。そして、猛暑の影響で熱中症にかかる恐れがあり活動が制限されているため、3時間ほどの活動で切り上げてしまいます。
私たちの3日間の活動は、コミサポひろしまの方達や、個人ボランティアなどの方と毎日9時過ぎから17時頃まで床上げ、床下や家屋周りの泥出し、浸水箇所の壁剥がしとなりました。思うように作業が進みませんが、それでも少しでも早く被災住民さんのために全力で汗を流し活動しました。
そして、この地域では6人の尊い命が今回の災害によって奪われました。3日目の朝、活動前に亡くなった方を弔うためにお経を詠ませていただきました。以前に、ボランティア活動をしていた時にNPOの方から、「人が亡くなった地域というものは独特な雰囲気がある。」と言われたことあります。災害によって不遇の死を遂げるということは家族や知人だけでなく、やはりそこの場所で活動する人にとっても遣る瀬無い、悲しい気持ちが湧き上がってくるものなのだなと。正直被災地でお経を詠むということは抵抗がある人もいるのかもしれません。それは、僧侶だからといって被災地にいきお経だけ詠ませて下さいというのは無理があると感じています。被災地の現場を目の当たりにし、現地で活動している人たちと一緒に汗を流し、苦しみを共感できるからこそ一緒に手を合わせてようやく弔うことができるのではないかと思います。
3日間の活動を無事終え、慈友会からコミサポひろしまへの支援金を渡し帰路につきました。
深澤亮道 合掌